はじめに
大島には行ったので、次は利島かなと調べてみました。すると、この島はなかなかな波照間島並みに訪問が面倒な島だとわかりました。訪問手段は竹芝からの客船と高速船、下田からの貨客船、大島からのヘリと豊富です。しかし、客船の着岸率は80%で高速船での冬場は10%まで落ち込む。貨客船は小型なので着岸率は低く、ヘリは定員9名という狭き門。客船が一番安全だけど、問題はこの島がで中継点なので往路と復路の2回着眼する必要があるということです。天気予報を見ながら、これはというタイミングで予約してみました。さてどうなることやら
旅程
出発まで
往路しか予約しなかったので入念にこの島のことを調べてみました。
人口は300人程度しかいなく、主要産業は椿栽培、観光地化はほとんどされていない。
島内に交通機関はなし。そもそも集落が1箇所だけとなっている。
その割に島の最高峰の宮塚山は標高508mである。島は直径2kmのほぼ円形なので、山の頂上付近だけが海面上に現れたみたいなものですね。といか、この比率は洋上のアルプスと言われる屋久島以上なんじゃなかろうか。
特に見どころさんがいないのであれば、登山ですかね。4時間位で往復できるかな。
さるびあの利島到着は7:45で、下田行きのあぜりあは14:45発なので7時間の滞在が可能です。ただ、あぜりあは着岸率が低めです。バックアップとして上りのさるびあは12:50発なので、滞在は5時間です。4時間の登山を考えると余裕はないです。これはフォーク准将の出番ですね。
1日目
事前の仕込み
出社前に登山道具と着替えなどを詰めたキャリーを駅のコインロッカーに収納します。
金曜日の終業後に自宅によってから竹芝桟橋に向かうとぎりぎり間に合うかどうかという次官になってしまうことがわかっていたので、自宅には帰らずそのまま旅行に行くことにします。これやると荷物が無駄に多くなるのですが、きゃりーに頑張って詰めた。詰めてわかったことですが、登山靴ってかさばりますね。
この方法だと仕事着で浜松町に行くので夕食探しにも困らないというおまけの効果もありました。
さるびあ丸
前回の2等大部屋はなかなか辛かったので、今回は予約して特2等(2等寝台)にしました。幅80cm、長さ2mくらいかな。カーテンを閉めると周囲はかなり気にならなくなりますね。ちなみに今回は上段は空きで向かいは横浜~大島でした。寝台で着替えを行ったのですが、後で考えればシャワー室で着替えればよかったなと。キャリーは廊下に物置があるのでそちらに、他は階段下のスペースに収納したので寝台のスペースはすべて寝るだけに使えます。この辺りも快適な点ですね。そうは言っても、2週間前に乗ったばかりですので物珍しさもなく寝台に引きこもる。この位置から外の電波は入らないので船内WiFiを使うしかないのだけど、横浜入港くらいから混みすぎて繋がりにくくなる。この辺りは改善して欲しいところではあるけど、寝ろってことかな。おやすみなさい。
4時ぐらいに一度起きてしまったけど、船の揺れ具合がおかしい。並を砕いているような感じがします。予報だと波高は1.5mだったはずなのにと思って調べてみると、波高は2.2mになって風も強まっている。どうも出発したあとに低気圧が発生したらしい。
上りのさるびあが欠航する状況だと高確率であぜりあも欠航だろうから、その場合は利島に缶詰になってしまう。日曜日のさるびあに乗れば大丈夫という感じにしたかったので無理に金曜日に出発したという理由もあるので、大丈夫かなと思い二度寝体制へ。
5時半の点灯に合わせての船内アナウンス、利島は着岸確定らしい。第1関門は突破できそう。次の問題は帰りの便だけどいつも9時過ぎに発表なので現時点ではわからない。ただ、日曜日は天候が回復する予報になっているので、最悪でも日曜日には帰れると見込みを立てて下船を決断する。
6時、大島岡田港に入港。今回も岡田港だった。アナウンス通り、入港直前から船が大きくロール方向に揺れだした。入港に合わせてスタビライザーを収納した影響だと思う。というか、スタビライザー偉大だなと感心するほどの揺れっぷり。こんなに横揺れしてても着眼できるのかと思ってたら意外とあっさりやってのける。さすがプロ。というよりこの程度はまだ序の口なんだろうなあ。
集落の端っこ神社の脇に短絡路があるのですが、立入禁止の札がかかってました。
大島を出港して買っておいたローソンのおにぎりを食べる。船内のレストランは7時半からの営業で7:40の利島入港を考えると利用は難しい。というか、このレストランの営業は船の時刻表を全く見てないと思う。船のレストランなのになんでや・・・
利島入港も直前から大きく揺れだす。下船口で並んでおきたいが、今回はキャリーもあって大きくローリングするなかを立ってるのは辛いので廊下のベンチで座って着岸を待つことにしました。そういえば、2等大部屋の通路には荷物置き場もベンチもなかったなあ。この船において2等大部屋はやはり人権がない。
定刻よりやや早めに着岸、下船する。ちなみに私は船が着眼するときに岸にロープを投げる人が正確に投げるのを感心していたけど、久米島とか多良間島で投げるのを失敗して、距離が足りなくて水没したり、岸壁やコンテナにぶつけて水没したりを見たので繰り返しの賜物なんだなと思うようになった。
2日目
利島港
利島港からみる利島最高峰の宮塚山
利島上陸です。だけど、目的地の宮塚山は雲がかぶってる。利島に上陸したのであと東京都で行かないといけないのは、新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島・小笠原の7箇所。まだたくさんあるなあ。
まだ8時前ですが、東海汽船・神新汽船の双方から今日の就航情報が出ました。上りのさるびあは就航決定、あぜりあは天候次第となりました。たぶんあぜりあはこないですね。帰りはさるびあに決定して12:50をタイムリミットで時計をセットします。そして、そのままターミナルに向かいます。
ターミナルの受付には「しばらくお待ち下さい」の札が・・・。そりゃそうだよね。係の方は今そこでコンテナ取り扱ってるもん。島の生活は大事ですから、作業が終わるまで待ってよう。
8時過ぎに係の方が戻られたので上りのさるびあの船券を発券してもらう。上りのさるびあが空くのは前回わかったので、帰りは2等和室にしました。
利島一周道路
天候は回復傾向ですし、登山口まで向かってみましょう。
流石というか、東京都なんだなと感じる立派な標識です。どっちが商店なんだという気はします。利島唯一の集落なんですが、この島に平坦地はないので北側斜面に集落がへばりついている感じです。坂道がすごくて大変そうです。
かなり遠回りになりますが、迂回します。
天候は回復せず、時折雨が振る感じに
今日は地元の小中学生のマラソン大会だそうで、教職員の方々が安全のために立っておられました。天候悪いのに・・・
島の南側の標高300m以上は雲の中ですね。視界が悪いです。
09:06、宮塚山の南登山口に到着。
出発して1時間ですね。登っても船に間に合う時間ですが、この時点ですでに視界不良だからなあ。その上、この感じは藪こぎになりそう。
視界不良の中、藪を進んで迷子にならない自信はないなあ。今回は登山を断念しよう。
そのまま視界不良の道を進む。まあ、舗装道路なら迷わないでしょう。
登山口は標高320m、この道路の最高地点は360m、宮塚山は標高508mなので、実質の登山で登る標高は大したことないです。まあ、遭難しないまでも迷子になって船に遅れてもダメですからね。ここは慎重になります。
09:21、東登山口に到着。こっちは踏み跡がありますね。
展望台が頂上よりも東登山口に近い位置にあるので、ここから展望台までは人がよく入るのかな。でも、今日は確実に雲の中ですよね。迷ったですが、中断の決断を支持して行きません。
ところが進んでいくと通行止めになってました。
迂回路の案内がない。
念の為に地形図も確認してみましたが、この道は登録されていません。林道ですらないらしい。
悩む。
通行止めは立入禁止ではないので入るのは大丈夫かもしれないけど、災害で法面崩壊とかだと突破は困難です。しかし、どこに通じるかわからない道を行くのもなあ。
迷った結果、既にわかっている危険よりは、あるかどうかわからない危険のほうがマシと思って、この地図にない道を進むことにしました。
地図にない道
舗装はコンクリートですが、ガードレールもしっかりある道です。
何で地図に乗ってないんだろう。
交通量は少なそうですが、そもそもこの島は人口300人だしなあ。
舗装はここまで、砂利道になります。
斜面崩壊したあとを仮復旧したような感じ、でも側溝はしっかりあるんだよね。
雲底の低さもあってどこかに連れて行かれそうな雰囲気です。
異世界転生というわけでもなく、一周道路の西側に出ました。
結局、ここまでに至るまで、既存の道に交わることもなく、地図に現れるわけでもなく
この道なんなんでしょう?
モリヤマ
まあ、店自体が少ないってのもありますが、クーポンでお土産を買わないといけないので、このモリヤマさんのお店に向かいます。
道中、地図を見ながら歩いていると地元の方が道を教えてくれました。さっきの通行止めで現れてほしかった。(無理を言うな)
15時までは待てないなあ。ダメ元で農協はと調べると、こちらは土日がお休み。そりゃそうだ農協だもん。
ほうほう。何で星なんだろう?
あぜりあは欠航したらしい。やっぱりね
もう出港予定の時間ですが、遅れているみたいです。がんばれ、がんばれ
竹芝も近くなってきたので晩御飯にしましょう。
ヘリポート
港に向かっていると駐在さんのパトカーが追い越して行きました。さるびあ到着には早いようなと思って気がついた。東邦航空のヘリでは?
調べてみると12:00着折返し12:05発らしい。見に行ってみよう。
しかし、12時まで待っても来ない。フライトレーダー見てもよくわからない。
東海汽船の方から12:30までに桟橋に来てくださいって言われているしなあ。諦めよう。
ふたたび利島港
利島港に向かっている途中に何やら施設を発見。
かなり新し目の施設だけど地図にはなにもないですね。
待合室で預かってもらってたキャリーを回収。ありがとうございました。
どうやら、新しい施設を作っているらしい。
完成したら就航率が上がるのかな。流石に土日しかないのに80%の着岸率は怖いですしね。
がんばってください。次に来る予定はまったくないけど
あぜりあは欠航したらしい。やっぱりね
滞在5時間の利島となりました。
帰りのさるびあ
乗船したら、もう東京にたどり着くことは確定なのでのんびりしてよう。
大島→東京はやはり高速船のほうが一般的らしくて、東海汽船の方も大島で高速船に乗り換えが可能であることを説明してくれました。まあ、土曜日なので急いで帰ることもしなくていいですし、何より大島で乗り換えるのが面倒くさい。
着替えてお昼にしましょう。
島海苔の塩ラーメン
島でクーポン使えなかったのでレストランで使いました。
あっさりの塩ラーメンに海苔の風味が映える。なかなか美味しい。船なので高いけど
大島で唯一の同室のおじいさんが降りていった。18人部屋を1人貸切状態。
快適なり。床硬いけど
竹芝も近くなってきたので晩御飯にしましょう。
晩御飯はエビフライカレー
ここの食堂は揚げ物はその場であげているのか、熱々サクサクが出てきますね。流石にもとは冷凍なんだろうけど、サクサクの揚げ物は地味に作るのが面倒だから嬉しい。(最近はヘルシオのさっくり温めをすると尋常なくサクサクになることに気がついたので、揚げ物を仕上げるのに使ってるけど)
計 11,650円
船で食っちゃ寝するのもいいなあ。と思ってると竹芝到着。
今回は最低限の成功って感じの旅でしたね。まあ、無事に戻れたことがが一番です。
費用
- 交通費
- 東海汽船
- 東京→利島 特2等 7,060円
- GoTo適用 ▲2,470円
- 利島→東京 2等和室 4,710円
- 食費
- 2日目朝 550円
- 2日目昼 1,000円
- GoTo適用 ▲1,000円
- 2日目夜 1,300円
- その他
- コインロッカー 500円
計 11,650円
新たに追加された訪問地
- 東京都
- 利島村
さいごに
久しぶりに自身の天候運の無さが出ました。晴れを呼ぶ友人は今回外出してなかったしなあ。船に乗るときまで天気予報は晴れだったのに、乗ってから低気圧が発生するとは・・・利島は一切観光地化されていない離島という感じです。本土の田舎だとよくある感じですが、離島で観光地化されていない場所は初めてでした。それでいて過疎化が進んでいるのかと思いきや、なんと数十年に渡って人口規模は変わってないらしい。まさに隔絶された土地という感じです。
観光としてこの島に訪れるなら、目的に応じて民宿を予約するのがいいでしょうね。私は面倒だったので日帰りしました。
もっとも、日帰りの理由の一番は月曜に職場へ出社するためです。12月からの冬場、この島へのさるびあの着岸率は8割台になります。あぜりあは更に低く、高速船に至っては1割台まで下がります。これは港の構造の影響です。利島の港は北部の利島港一つだけです。この港は桟橋が南北に伸びているだけの単純な構造です。この桟橋の西側に着眼するため、冬季の北西季節風にとても弱いです。今回、私は天気予報で北東の風が吹くことを確認して乗りました(結果的には天気予報は外れましたが)。逆に夏場は南風が主流になるのでほぼ100%の着岸率になります。
また、武漢ウィルスの影響もあって今は土日以外を運休することがあります。宿泊し、日曜日に帰る予定を立てて、欠航した場合、1週間出社不能になるリスクも有りました。このため、日帰りの予定としました。
何もせず、ただ海を眺めるというような観光もここならいいかも知れません。職場がそれだけの休みを許せばですけど
観光地ではない離島に行ってみたい。そんなとき、利島はどうでしょうか。
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