Javascript External Library

2022-01-03

山形県大蔵村肘折温泉旅行

はじめに

年末年始の旅行はのんびりと温泉がある宿で過ごしたいな。そんな感じで計画を練り始めました。
しかし、一人旅にとって旅館というのは結構な鬼門です。旅館の営業形態だと1部屋に大人数を入れたほうが利益率が高くなるので1人利用は予約を取らないことが普通だからです。欧米だと宿泊人数でなく1部屋で定員までなら宿泊費は変わらないという形態の宿もありますが、ある意味理にかなっていると言えます。
探しに探した結果、年末年始2泊22000円、内湯あり、1人OK、未踏という好条件の宿を見つけることができました。
さて、どんなところでしょうか。

旅程

今回の旅程

今回の旅程(大蔵村・新庄市付近)

出発まで

目的地は山梨県大蔵村にある肘折温泉です。年末のお仕事をこなしながらも楽しみにしてましたが、新潟支社の方から急に大雪になって出社できなくなったという連絡が来ました。
12月に山形へ旅行に行った際に夜間に積雪があって、翌朝起きると景色が一変したことを思い出しました。
肘折温泉のそばにはアメダスの肘折観測点があるのでデータを覗いてみると、既に積雪量が1mとなっていました。
豪雪地帯じゃないですか・・・
流石にスニーカーで行くと死んじゃいそうなので、スノーブーツをこの旅行のためだけに購入しました。
微妙に宿代が安かった点は実は到達困難だからなのではなかろうか。

1日目

えきねっとeチケット

eチケット
肘折温泉の最寄り駅は新庄になります。東京から新庄はなんちゃって新幹線の山形新幹線をつかえば乗り換え無しで行けるのがいいです。今回選択したのは東京を7時12分発のつばさ123号です。普段であれば10時のみどりの窓口に並ぶのですが、本業の忙しさが極まっており平日10時に抜け出すのは難しかったです。
そこで利用したのがえきねっとです。
えきねっとだと得だ値きっぷという早割みたいなチケットもあったのですが、これは抽選制でした。抽選だと私のくじ運の悪さだとまず無理ですね。外れても窓口に行かずに切符を買うことができました。
しかし、ネットなので1割引きくらいはしてくれるのかなと思ってましたが、JR東日本の吝嗇ぶりは恐れ入りました。指定席特急券のみ200円引きという。繁忙期割増分でしかない。(※後から計算したら、奥羽本線は特急が別立てなので繁忙期割増は340円だった)
ついでにいうと、この切符の乗車券は東京駅発であって、東京都区内発でないです。いつものように最寄り駅から乗ったら、最寄り駅から東京駅までの運賃を追加で持っていかれました。
Suicaだけで新幹線に乗れるのは便利だけど、得だ値切符とれないときは駅に行ったほうがマシかなあ。

新庄へ

東京駅駅名標
今回の旅は東京駅が出発地で終着地になります。新幹線利用で北を目指すなら上野から乗ったほうが安いのではあるのですが、安くなっても全体旅費の1%なので気にしない。
あとからTwitterを確認してみると、ざつ旅の作者様も同じタイミングで東京駅にいたようです。先生はその後、房総方面に行かれたようです。次巻も楽しみにしています。

出発案内
新幹線に乗るのも久しぶりだよなあ。と、出発案内を見てましたが、よく考えると九州で飛び乗りしてましたっけ。

E3系つばさ
在来線区間も走れる新幹線というよりは、新幹線区間もかろうじて走れる在来線特急のE3系に乗ります。奮発してグリーン車にしようかと思ったのですが、在来線特急なのにグリーン車が2-2列仕様だとわかったので辞めて普通車にしました。普通車でも2-2列仕様ですしね。

冬の太陽
福島付近からもうすっかり雪景色でした。雪雲に覆われてぼんやりとした感じの太陽を見ると冬だなあって思います。東京だと冬晴れになるんですけど、こっちのほうが風情があると思います。
今日も行きが降り続く天候なので、在来線の普通列車のほうが遅延するようで、単線区間も多い奥羽本線は新幹線も巻き添えで遅れていきます。
それでも新幹線の意地なのか、6分程度の遅れで新庄までたどり着きました。

凍りつく新幹線みたいなやつ
今日は新庄付近も一日中氷点下の真冬日なので車体が氷漬けになってました。

新庄駅駅名標
年末大晦日ということもあって、新幹線は満席でした。少し遅れましたが、無事に新庄まで到着です。ここから肘折までは村営バスを利用することになるのですが、お昼ごはんと周囲の散策をするとしましょう。

新庄散策

お昼ごはんをのんびり探せるように早めの新幹線できました。村営バスは休日ダイヤなので1日4本しかない上に乗車定員が少なくて、乗り切れない場合は諦めないといけないらしいので早め動きたい。

新庄駅前
駅前広場は消雪機構があるので路面が見える状態です。

駅前の繁華街
まあ、そんな場所が多いはずもなく、降り続いている雪で道が覆われています。

雪捨て穴
雪国では普通ですが、除雪した雪を流し捨てる穴があちこちに空いてます。
落ちたら怪我とかを通り越して死にそうなので、雪国に住んだことがない私はかなり怖いです。柵なし用水路みたいな感じです。下は水路になっているのであながち間違いではないと思う。

かもん 鴨団子汁そば
結局の所、大晦日には勝てず、お店は全て休業日だったです。駅前まで戻ってきて駅舎内にある蕎麦屋かもんさんでお昼にしたいと思います。
寒かったのでこの店一番と思われる鴨すきを頼みましたが、今日はもう売り切れとのことでした。大晦日なので早めに店を閉める影響かと思いましたが、武漢ウィルスの影響で短縮営業中だとか。ここにも支那人の影響が及んでましたか・・・
オススメということで鴨団子汁そばにしました。出てきたのがこれ。汁そば・・・?
店主の説明だとつけ汁が熱々なので鴨肉を始めに全部入れてレアな感じで食べてくれという。実際にやってみたところ柔らかい鴨肉が味わえてなかなかよかったです。つけ汁も鴨の油がしっかりとでて味がよく、元々の暑さと油でつけ汁も冷えないです。体も温まりました。この寒いのに盛り蕎麦かよと思いましたが、全くの見当違いでしたね。鴨すきも別の機会に食べに来たい。

肘折温泉

13時45分の肘折温泉行きのバスをバス停で待ちます。

新庄駅前バス停
風も吹いているのでバス停の屋根など意味がない状態です。しかし、このバスを逃すと次は2時間後になってしまいます。駅前が始発じゃないのがなかなかつらいところです。

大蔵村村営バス
マクロバスがきました。補助シート使って最大24名運搬可能といったところでしょうか。
このときの乗客は19名でなかなかのギリギリ具合でした。4往復で100人運べないのは不足なんじゃないかと思いましたが、大きな旅館は駅前まで送迎があるみたいです。

肘折希望大橋から
バスに揺られて1時間、肘折名物のループ橋を超えたら温泉街です。
この雪に閉ざされた空間という感じがすごいです。
流石にこの雪でバスも15分程度遅れました。

肘折温泉
古くからある温泉街なので、別府や野沢といった温泉街と同じような雰囲気がありますが、肘折温泉は通りはこれ1本だけです。長さも短いので非常にこじんまりとした秘湯感が味わえます。

旧肘折郵便局舎
こちらは保存された建物で郵便局です。今の郵便局は革の反対側にできています。
昭和12年に作られたそうで、今から85年前ってことですね。
柳条湖事件1931年、国際連盟脱退1933年、二・二六事件1936年、支那事変1937年、アンシュルス1938年、ってあたりですか。世界的に先行き不透明な時期ですよね。今とあんまり変わらない。

黄金温泉 金生館

ここまで肘折温泉を連呼しているのですが、実は今回の宿は肘折温泉のそばの黄金温泉になります。なんで離れているんだろうと思ったら、どうも源泉は別らしい。

肘折温泉マップ
金生館までは歩いて行かなければなりません。道のりとしては大したものではないのですが、一番の近道である蕎麦屋さんと新しい郵便局のそばの橋はなぜか除雪されない。
一番大きい道だと思うのになぜ・・・?

銅山川
道を探しながら歩いて徒歩で渡れる橋を見つけたので渡河します。
雪はずっと降り続けています。

宿までの道
宿までの道のりも除雪はしてますが、15時の段階でもう薄暗くなってきます。
街灯もなく暗くなってからは危険ですと宿の説明にありましたが、これはたしかに暗くなってると遭難しそう。

宿のお部屋
40分ほど、時間をかけてのんびりと宿まで向かいました。宿は6畳間です。
暖房は石油ファンヒーターでした。窓は一重なので障子戸を開けると寒いです。窓は下20センチほどは雪に埋まってました。開けれません。壁も薄くて隣の声はバッチリ聞こえます。風呂・トイレ共同。なんか昭和の下宿みたいですね。

宿の晩ごはん
宿の晩御飯はこんな感じでした。特に上等というわけでもないです。他の人のレビューだと部屋食だと言う事でしたが、大広間での食事になりました。11人ほど宿泊客がいましたね。
21時になるとチャイムが鳴って共同部分は減灯となりました。
Wi-Fiなし、docomoの電波も弱くて通信速度が遅いです。大晦日ですがさっさと寝ましょう。

2日目

宿の朝ごはん
朝ごはんは8時でした。チェックイン時に晩御飯は18時半だと聞いていたのですが、朝ごはんの時間を聞いてなかったです。朝ごはんも大広間での食事となりました。人数は14人と少し増えていました。この宿のチェックイン時間は17時までのはずなので、チェックイン後に自室で調達食料で食事した人もいるということですね。

私も昼ごはんは温泉街に調達に行きましょう。
見事なまでの悪天候です。断続的に雪は降り続いて気温は氷点下6度です。時折地吹雪状態にもなって視程は50mまで下がることもあります。

そして、温泉街も凍りついたかのように止まっていました。
元旦は村営バスも運休日ですが、商店も休みですか。

お昼抜きが確定したので、宿に戻って地吹雪の中で露天風呂に浸かってました。

宿の晩ごはん
待ちに待った晩御飯は今日も大広間でした。人数は7人。この宿は駅までの送迎をやってないので、この悪天候の中で自力で離れた人がいるってわけです。真似できないね。

3日目

宿レポート

宿の朝食
最後の朝の食事は部屋食だった。なんでだろう?

今回は金生館さんに2泊3日お世話になりました。宿の設備は老朽化が隠せない感じです。窓は一重で寒さを防げない。暖房は石油ファンヒーターなので不在時は消火しておかないと危険ですが、その間に部屋はもとの寒さになってしまいます。食事は品数は多めにしてありますが、買って切っただけというものが大半になります。このあたりは従業員がかなり年配の夫婦だけという状態では致し方無いと思います。
しかし、温泉は素晴らしいです。源泉かけ流し加水なし、透明度は20cm以下というかなりの濃いにごり湯です。何より雪を見ながら露天風呂が楽しめるお宿というのが素晴らしい。雪見+露天の組み合わせがある宿は珍しいんですよね。
このお風呂が気に入ってしまって、3日間で7回も入ってしまいました。お風呂入るためにお酒を一切口にしなかった。
ただ、夏は多分虫が多いです。露天風呂のそばに沢の流れを作ってあるので、夏は虫が多くなりそうです。なんで態々虫が多くなるのにこの構造かと疑問でしたが、どうも屋根から落ちる雪を流すために用意してあるみたいです。
トイレの防寒だけはなんとかして欲しいです。構造が昭和なのでトイレがとても冷えます。暖房便座でも寒さはしのげないんですよ。寒いので割と限界まで我慢してました。
そんなお風呂極振りなお宿でした。

初詣

肘折には初詣に行く場所がなかったので、帰路の新庄で初詣としましょう。

戸澤神社
昨年はなんとか無事に過ごせました。今年も頑張るのでよろしくおねがいします。
おみくじは末吉で辛抱して頑張れとのこと。そして御朱印をいただくのを忘れた。今年は注意が必要な年になりそう。

新庄城跡堀

最上公園
神社は新庄の城跡にあります。城跡は今は公園となっていて、堀には噴水がありました。噴水だけ凍結してないのできれいな円模様ができてます。

昭和食堂 ラーメンセット
お昼は新庄駅からの道中で営業していた昭和食堂さんのラーメンセットにしました。
即席麺っぽいラーメンに特にパラパラでもないチャーハン。名前通りの昭和感満載でした。こういうラーメンやチャーハンも好きですよ。

つばさ150号
帰りはつばさ150号で東京に向かいます。帰りの新幹線も満席でした。新幹線が開業して乗り継ぎも不要なのでちょっと呑んでしまいましょうか。
肴はしそ巻きです。宿でも食べましたが、パリパリの揚げ焼きされたしそに包まれた味の濃い一品です。濃い味付けがお酒に合います。

東京駅駅名標
つばさ150号は雪の影響で5分遅れて東京に到着しました。雪の影響がここまで小さくなる点も新幹線のパワーと言ったところだと思います。

肘折では氷点下5度だったので、帰りの新庄の0度が暖かく感じました。東京は暑いですね。東京だともう少し薄着でもいい感じなようです。
年末年始は温泉に入りまくった休暇となりました。今年も一年頑張って生き抜いていきましょう。
この旅はここまでとなります。

お土産

お土産
肘折では商店が元旦で全滅していたので、新庄でお土産を購入しました。
山形といえば桜桃ですが、流石に時期外れ過ぎたので加工品です。
もがみ物産館の片隅の酒類コーナーは別の商店らしく、90歳のお婆ちゃんが店番してました。受け答えはしっかりしてたし、計算は暗算で間違いがなかった。まだしばらく現役でいけそう。すごいなあ。

費用

  • 交通費
    • JR
      • 東京→新庄 13,240円
      • 新庄→東京 13,240円
    • 大蔵村村営バス
      • 回数券 1,000円
      • 肘折温泉→新庄駅前 100円(不足分)
  • 宿泊費
    • 1~2日目 23,700円
  • 食費
    • 1日目昼 1,100円
    • 3日目昼 800円
    • その他 1,107円
  • その他
    • お土産 2,940円

計 57,227円

新たに追加された訪問地


さいごに

雪見+露天の温泉の威力は凄まじかったです。無限に入浴できそうな感じです。他に同じようなところがないか探してみますし、なければここに戻ってくるような気がしますね。
年末年始の旅行は食事に困ります。観光地だから大丈夫だろうと思ってましたが、今回も食いっぱぐれが発生してしまいました。コンビニなどで調達するのが楽なのですが、それだと普段の食生活と変わらないからなあ。
今回、驚いたのは屋根からの落雪です。大きな音を立てて滑り落ちるのは知ってましたが、宿を揺らしながら落ちるとは思ってなかったです。初めて体験したのが1日目の深夜でした。振動と轟音で飛び起きてしまったです。特に騒ぎになってなかったのですぐに寝ましたが、2日目は頻繁に落ちてました。さすが4mの積雪を記録したこともある豪雪地帯です。宿の人は除雪するか別に気にしてないって言ってました。慣れるんでしょうね。
休暇の都合で2泊3にしかできませんでしたが、ここは長期滞在したいと思える場所でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿