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2025-04-13

熊本県南阿蘇鉄道旅行

はじめに

2016年の熊本の震災で大きな被害をうけて一部区間が不通になっていた南阿蘇鉄道ですが、2023年になんと復活することができました。そのまま廃線になると思っていたんですけどね。復活した南阿蘇鉄道を利用しようかと思って熊本空港行きのセールがないか見ていたのですが、どうやら半導体工場の誘致成功などの追い風で需要が多いようで週末にセール品の確保は難しいようです。今回は期間限定マイルがあったので特典航空券で訪問することにしました。

旅程

旅程(全体)

旅程(阿蘇拡大)

1日目

羽田空港

第2ターミナル出発ロビー
朝7時、少し早起きをして羽田空港に来ました。今日はここから熊本に旅行に行きます。

出発案内
今日の指定ゲートは50Bということでした。
羽田空港に50Bなんてゲートあったかな。案内図を見ると50Bはあるけど、羽田空港の第2ターミナルは凹の形だったはずが凸になっている。40番代のサテライトと連絡通路をつなぐ工事が終わって連絡通路上にもゲートが新設されたみたいですね。
それにしてもサテライトまで1km近いな。

第2ターミナル北ウィング分岐
保安検査を通過して案内図通りに歩いていくと53~57ゲートとの分岐がありました。
ずっと工事で封鎖されていたところみたいです。

第2ターミナル北ウィング
50Bは直進します。新築っぽく何も無い。
広告か店舗かがこのあと増えるのかな。

50Bゲート
10分ぐらい歩いて50Bゲートに到着しました。
上は到着時の動線ですね。旧い方のエリアは到着が下で出発が上でしたが、新しいエリアは逆ですね。こっちのほうがこれから乗る飛行機をじっくり見ることができるので良さそう。

待機スペース
こうしてみると建物のサイズは小さめだけど出発側を下にすることで乗客の待機スペースにゆとりができているみたい。出発客はゲート前に集まるけど、到着客はゲート前に留まらないのでこの構造は理にかなっていますね。

NH641便

JA137A
8:10
今日の機材はA321-272Nになりました。50Rスポットから出発します。改修前はV2スポットだったみたい。ターミナルの改装でかなり新鮮な感じでしたが、滑走路はいつものRWY05から離陸になりました。

関東平野
離陸後は右旋回して西に向かいます。
今日は右の窓側席だったので東京方面がバッチリ見えましたね。この感じだとたぶん私の住処も見えてる。

熊本空港
10:09
熊本空港のRWY07に着陸して4Lスポットに到着しました。

熊本空港

くまモン
次はバスの快速たかもり号に乗るのですが、時間があるので空港内を見学して時間を潰します。もう1便後の飛行機が乗り継ぎには良かったのですが、特典航空券は満席で発券できなかったです。

国際線カウンター
前回利用した際はまだ工事中だったのですが、完成したようできれいな空港です。
国際線もかなり広いスペースが確保されていて地方空港とは思えないです。台湾の半導体メーカーが熊本に工場を建築するということですが、台湾からはスターラックスが飛んできていているようですね。朝鮮半島からはLCCがきてるみたい。あそこはLCCたくさんあるしね。空港内の中国語表記が台湾語なのが珍しかったです。ふつうは北京語なのですが熊本の台湾への力の入れようが伺えてよいです。

りんどう あか牛うどん
お昼ごはんは1階のりんどうでうどんを軽くいただきました。出汁が優しく美味しいのが九州に来た感じでいいです。ラーメンを探したのですが、ラーメンは制限エリア内にしかないらしい。ラーメンだけでなく制限エリア外より制限エリア内のほうが店舗が充実しています。これはちょっと他の空港とは違う感じですね。

快速たかもり号

快速たかもり号
13:11
5分遅れで熊本市内から快速たかもり号がやってきました。
これだけ発車案内にタッチ決済OKの表示がなかったので事前に自動券売機で切符を買ったのですが、ちゃんとタッチ決済されていました。熊本は交通系ICからタッチ決済に鞍替えが進んでいます。私としても世界中共通でタッチ決済に統一してほしいとは思っています。ただ、タッチ決済だと東京のラッシュがさばけないので交通系ICがなくなることはなさそう。

萌の里
阿蘇はちょうど桜が見頃の季節のようです。九州にしてはちょっと遅めかな。山岳地域ってことが影響しているのかも。

阿蘇山
このあとは雨予報なのですが、まだまだ天候は良さそうで阿蘇山がきれいに見えます。

14:05
11分遅れでバスは高森駅交流施設に到着しました。
遅れは拡大しましたが、次の乗り継ぎは20分後なので特に問題なさそうですね。

南阿蘇鉄道

高森駅駅舎と高森駅交流施設
この旅の目的である南阿蘇鉄道の高森駅にきました。

高森駅駅舎
随分と新しい駅舎だと思ったら旧駅舎は熊本地震で被災したのでこれは新しい駅舎らしい。

高森駅ホーム
妙に長いホームも新駅舎建設で場所が変わった影響なのかな。

高森駅駅名標
阿蘇の麓の盲腸線ですが計画では延岡まで通す予定だったらしい。
延岡から高千穂までは開通していたけど、トンネルを掘ったら地下水脈を掘り当てて止水もできずに計画も流れてしまった。高千穂側は台風で被災して全線廃線になったのでもう完成することはないでしょうね。

入線
利用する列車がやってきました。折り返し普通12号になります。

MT-4000形
老朽化してきた列車の置き換えの新車ですね。
団体客と一緒なので車内は少しの立ち客が出る程度には賑わっています。しかし、どう見ても観光客だらけなので平日が大丈夫なのか心配になります。

14:30
3分遅れで高森駅を出発しました。
普通の列車なら立野まで30分程度の短い運行です。観光用のトロッコ列車なら1時間程度になります。路線長は17.7kmなので普通列車でも速いとは言えないですね。

業務で忙しいだろうに沿線の案内を挟みつつ列車は進みます。
沿線の人も観光客に手を振ってくれる感じなので奇跡の復旧を遂げたのもなんとなくわかる気がします。

白川
南阿蘇鉄道高森線の一番の難所が立野手前の白川を超える第一白川橋梁になります。
この橋梁が熊本地震で甚大な被害を受けて不通状態になりました。大橋梁なので赤字の南阿蘇鉄道が復旧できるとは思えなかったのですが、地元の支援もあり復旧されました。
ちなみに旧橋は橋台が移動するしトラスの部材が曲がるは破断するはでどうしようもない状態になったのですが、なんと落橋はしなかった。このあたり、日本人の技術の高さと仕事の正確さがすごいと思う。新築の橋を落としまくってる隣国は人命をなんだと思っているんだろうか。

阿蘇立野ダム
列車が川を超えてすぐ見える大きな構造物は阿蘇立野ダムです。新しいダムで昨年の2024年から運用されています。
面白いのは洪水調整にしか利用されないダムであるということです。利水も発電もしないので普段は湛水しないダムです。発電くらいはしても良さそうだけど熊本地震で大崩落した断層が直ぐ側にあるし普段から湛水するのはリスクが有るのかな。

立野駅
15:03
5分遅れで立野駅に到着しました。
0kmポストは高森線のものですね。

立野駅ホーム
南阿蘇鉄道側のホームは1面だけです。

立野駅駅名標
全体的に設備が新しいのはこちらも被災した影響なんだろうか。

立野駅駅舎
団体の観光の場合はどうするのかと思ったら貸切バスで移動なんですね。立野も高森も駅前のスペースが広いのはこういう需要があるからなのか。大規模輸送を是とする鉄道のはずなんですが、これも時代の変化というものかな。

トロッコ列車「ゆうすげ号」
乗ってきた単行列車は折り返していってしまったのですが、次はトロッコ列車になるみたいです。こちらは観光オンリーの感じですね。

ゆうすげ号出発
今回は予定の都合からトロッコ列車は利用できないので出発を見送りました。
出発前に乗り心地は期待できないと強調しているのが面白かったです。列車の乗り心地は技術の進歩で大幅に良くなりましたからね。

熊本空港へ

立野駅駅名標
南阿蘇鉄道を堪能したので熊本空港に戻ります。

キハ220形
15:44
肥後大津行きの列車に乗ります。
気動車だけど2両編成にはなっています。
立野駅はスイッチバック駅なので西から来て西に出ていく感じになるので頭端式ホームみたいです。
誤乗防止のためか1面2線で行き先ごとにホームは分けてあります。

肥後大津駅
15:56
肥後大津駅に到着しました。
半導体工場の影響で需要が伸びることが想定されているのでこの駅から熊本空港まで支線を作る計画があるらしい。

阿蘇くまもと空港ライナー
16:00
今のところ鉄道はないので空港ライナーを利用して空港に向かいます。
あまり需要を想定しないなくてタクシーのチャーターのような形態です。利用は無料なのがありがたい。それでも乗客は7人で満員一歩手前という感じなのでそれなりの需要はありそう。

アクア
16:13
熊本空港に戻ってきました。
ここからはレンタカーで阿蘇周辺を観光します。トヨタレンタカーで借りることができたのはかなり新しいアクアになりました。新しいタイプは燃費もいいしスマホとの連携が楽なのでとてもいいです。

菊池市

わくわく温泉
出発した段階で夕方なので、まずは近くの菊池温泉に行きます。
温泉宿はたくさんあったのですが、駐車場が広いこちらの施設を利用することにしました。
地元の人が利用する感じのようで石鹸も置かれていないです。
面白かったのは洗い場のシャワーが固定式だった点です。改修は続けているようですが各所に旧い施設が残っているという感じでした。名前からはふるさはないのですが、もしかしたら名前も変わっているのかもしれませんね。

Joyful 和風おろしハンバーグ&牛サガリステーキ
晩御飯は近くのジョイフル 菊池店で取ることにしました。
九州だとジョイフルを利用することも多いですね。ガストとほかのファミレスは利用しないけどなんとなくジョイフルは地元感がある。

温泉から出たあたりから天候は雨模様になってしまいました。明日も夕方までは観光するので回復してほしい。

2日目

道の駅 七城メロンドーム

道の駅 七城メロンドーム
6時半のメロンドームで朝を迎えました。
七城はかつてここにあった自治体の七城町のことですね。今は菊池市に吸収されました。昨夜の雨は上がったようです。その代わり湿度で霧が発生していますね。

朝日
遠くからぼんやり朝日が見えます。
ぼんやり眺めていたのですが、気が付きました。ひょっとして雲海が見れるのでは?

大観峰

大観峰日の出ビュースポット
7:14に大観峰に到着しました。日の出から1時間少々という感じ。
結果はというと大観峰も雲の中でした。
風も強いのでちょっと条件が悪そう。

阿蘇市街
のんびり待っていると天候が回復してきましたが、やはり麓のほうが回復が早そうですね。

大観峰
天候の回復を待って展望がいいところまで登ってくると麓の方はバッチリ見えました。
中岳の方は雲が多いですね観峰というわけには行かないらしい。

うぶやま牧場

うぶやま牧場
大観峰のあとは東方面に進み産山村に来ました。
産山は熊本と大分を行き来する際の竹田を迂回コースです。

フォカッチャ
若干字が消えかかっていて廃業かとも思ったのですが、レストランはやっているようでした。
遅めの時間ですが朝ごはんがわりにフォカッチャを頼みました。調べてみるとイタリアの料理みたいです。ピザよりもパンよりのふんわりな生地ですね。

中岳
食べ終わって駐車場に戻るときに中岳の方を見ると雲が晴れていました。
中岳に行ってみよう。

阿蘇中岳

阿蘇中岳
阿蘇山は外輪山も含めて阿蘇山なのですが、一般的に阿蘇山というとこの阿蘇中岳であることが多いです。現役の活火山で桜島程ではないせよ頻繁に噴火します。

火口
今日の阿蘇山は気前が良いのか火口もバッチリと見ることができました。火山ガスの影響が大きく噴火が静穏でも見れないことが多いのですが今日は運が良かったみたいです。

中岳火口展望所
天候が若干悪いときの展望所も老朽化が著しいですね。火山ガスの影響が強いのでコンクリートも劣化が早い。見た目はかなり傷んではいますが、本来の目的は退避壕なのでその機能は問題なさそうに見えました。コンクリートの質が違うのかな。

退避壕
緊急時の避難場所も点々と見える。ここは欧米人も多く訪れているみたいですけど、地震や火山が当たり前の国というのはどういう感想なんだろうか。
調べてみると「ここが同じ地球なのか?」「すぐ近くに人が住んでる!」という感じらしい。なるほど

旧火口
旧火口の周りも遊歩道があるので散策することにします。
遊歩道が尾根沿いに作られていて強固な柵が築かれている。窪地は火山ガスが溜まっている可能性があるからだろうなあ。

道の駅 あそ望の郷くぎの

道の駅 あそ望の郷くぎの
阿蘇山頂は特に売店がなく、途中の草千里は人が多そうだったので麓まで降りてきました。
昨日見た通りで阿蘇の麓は桜が見頃ですね。

トルティーヤ
お昼時なので屋台でトルティーヤを買いました。
トルティーヤといえばメキシコかな。とうもろこしが一般的だと思うのですが、これは小麦粉ですね。調べてみるとメキシコではどちらのパターンもあるらしい。

新阿蘇大橋展望所 ヨ・ミュール

熊本地震の復興のシンボルが一箇所で見られる新名所にやってきました。

新阿蘇大橋
震災で落橋してしまった阿蘇大橋の新しいやつです。
同じ場所に橋を築いたらまた落ちるのでは?というのは当然検討に上がったようで、同じ場所で横ずれが発生しても落橋しない構造にしてあるらしい。将来地震が来ることがわかっているので地震が来ても使える橋を作りました。新しい日本の変態的技術ができてしまった。

阿蘇長陽大橋
旧道にも橋があったのですが、ダム建設のために新設されました。こちらも震災で大きなダメージを受けましたが落橋は免れて1年の応急処置の後に阿蘇大橋の代役を長く努めました。

第一白川橋梁
昨日渡った第一白川橋梁はやや遠景になりますがスマホのカメラでもぎりぎり見える範囲です。ちょうどトロッコ列車が通っていきました。
是非利用してねという案内がありました。見てるだけだと鉄道の売上にはならないですしね。

熊本空港

熊本空港
トヨタレンタカーに車を返却して熊本空港まで送ってもらいました。熊本空港最寄りのトヨタレンタカーは最近移転したようで敷地面積が大きくなっていました。

熊本空港制限エリア内
制限エリアの外は昨日に見たのでまっすぐ保安検査に向かって制限エリア内に入りました。おみやげ物売り場が動線に組み込まれたスタイルです。これは国際線でよく見るパターンですけど国内線でこのスタイルは初めてみました。構造が全体的に今風になっていますね。
昨日うどんを食べたときに割引クーポンをもらったのでお土産を購入します。

味千ラーメン
お土産を購入したら割引クーポンをもらったので味千ラーメンにしました。味千といえばフライドガーリックですね。そして、ラーメン食べたらまたクーポンを貰った。もう使い所がない・・・

Lounge ASO
満腹になったので出発時間までラウンジでくつろいでいることにしました。
熊本空港のラウンジは航空会社とカード会社共同のものになっています。航空会社のステータスで利用するとビールがただになるくらいかな。

Lounge ASO内部
ラウンジも新しくなってそれなりの広さになっていました。ソファーより椅子が多いのが特徴的かな。

NH648

熊本空港3番ゲート
出発時間になったのでゲートまできました。熊本空港からの帰りは3番ゲートになりました。
少々の遅延が発生していてスタッフも焦っていたのか優先搭乗の案内がうまくできてなくて表示と口頭の案内が一致してなくて一般の登場と同じタイミングになりました。帰りは通路側だったのであんまり変わらないですけどね。

JA614A
17:45
20分遅れで出発しました。
B767-381ERはちょっと古めの機材かな。3番スポットを離れてRWY25から離陸します。

羽田空港
19:22
羽田空港のRWY22に着陸して48番に到着しました。
旧サテライトですね。今まではバスで送ってもらえていたのですが、頑張って歩きます。

羽田も熊本も新しい空港を楽しめた感じのところで今回の旅は終わりになります。

お土産

お土産
お土産はお土産屋の店員におすすめされた焼酎にしました。手書きの数字はシリアル番号らしい。
食べそこねたあか牛丼はお土産にしました。あとから調べたら道の駅 あそ望の郷くぎのにあったんですよね。気が付かなかった。

費用

  • 交通費
    • ANA
      • 羽田空港→熊本空港 570円
      • 熊本空港→羽田空港 570円
    • 産交バス
      • 熊本空港→高森駅交流施設 1,060円
    • 南阿蘇鉄道
      • 高森→立野 490円
    • JR
      • 立野→肥後大津 320円
    • トヨタレンタカー
      • 22時間34分 153km 11,770円
      • メンバー割引 ▲2,024円
      • マイル ▲800円
    • ガソリン 4.96L 923円 (30.85km/L)
  • 食費
    • 1日目昼 1,100円
    • 1日目夜 1,657円
    • 2日目朝 600円
    • 2日目昼 600円
    • 2日目夜 900円
    • その他 1,177円
  • その他
    • わくわく温泉 400円
    • 阿蘇山公園道路 1,000円
    • お土産 5,294円

計 25,607円

新たに追加された訪問地

  • 熊本県
    • 菊池市
    • 阿蘇郡
      • 産山村
      • 南阿蘇村

あと40市町村

さいごに

熊本地震は2016年に発生しました。最大震度は7を観測し、熊本に甚大な被害を与えました。父方の親戚は熊本在住のため大きく被害を受けることになりました。この地震の特徴としては4月14日の地震が最大ではなく2日後の地震が最大となった点にあります。理論上は余震だけでなく前兆震もありえるという仮説の証明とも言える出来事が起こりました。このため、連絡が取れた親戚からは何が起こるかわからなく危険なので近寄るなと警告されることになりました。この地震で大きな被害があった益城町にも親戚が住んでいて高齢であったことも一因として避難先で死亡しました。色々と記憶に残る出来事になりました。そんな感じだったので復興のシンボル的な南阿蘇鉄道の全線復旧は利用したかったところです。
今回、まだまだ日本も頑張れる余力があることが感じられた一方で地方復活にはもはや外国資本に頼らねばならないという弱さも実感しました。ここまで台湾が進出して便宜も図っている土地は日本にないんじゃないだろうか。そういった点で少しの寂しさも感じた旅になりました。

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